デンタルニコニーを設立しようと思ったきっかけがいくつかありました。
①~③に渡りお話を書き綴っています。ご拝読いただければ幸いです。
これは代表柴垣が歯科衛生士として歯科診療所で働いていた頃の話です。
①歯科医院に通ってほしい人に限って来なくなってしまう
ある日、生まれて初めて歯科医院に来たという20歳前半の女の子に出会いました。来院の理由は「掃除」とのことでした。
しかし、口腔内を見ただけでは20代のお口の中とは思えないほど虫歯や歯周病が進行しており歯石が歯と歯茎を埋め尽くすようについておりました。
お仕事させていただいていた歯科医院では初診の患者さんには歯科医師が虫歯のチェックをし、歯科衛生士が歯周病のチェックをするというルールがありましたので歯科医師がやってきましたが、歯の半分以上を歯石が埋め尽くしている状態では見ることができないという話になり歯石の下に虫歯があるかもしれないことや歯周病の進行具合を測定する器具が歯石に邪魔されて入らないということもありまずは一端患者さんの希望の通りお口の中の歯石を綺麗に取ることから始めることになりました。
歯石は何層にも重なって大きくなっていくもので、かなりの層ができてしまっており超音波スケーラーという歯石を除去しやすい機器を使用してでも出力をかなり強くしないと砕けない程でした。
すべての歯石を取り終えるのにかなりの時間を要し、虫歯が4本、虫歯になりかけの危ない歯が6本、もう虫歯が進行しすぎており根っこしか残っていない奥歯が2本、歯周病は中等度という結果になりました。
歯石は取れて見た目は綺麗になりましたが虫歯や歯周病とこれから治していかないといけない箇所があることや治療の説明を行い治療自体は次回から開始となりました。
次回来院時にもう少し詳しく虫歯や歯周病の成り立ち、歯磨き用品の紹介や使用方法についてお伝えしたいことがあるので今使用している歯ブラシを持ってきてほしいと伝えました。さらに、歯石を取り終えた今の状態を少しでも保っていてほしいのでいつもの歯磨きをもう少し時間をかけて鏡を見ながら行ってみてほしいことも伝えその日は終了となりました。
受付を確認すると次回お越しになる予約が入っていたため、次の説明に使う資料などを作り当日お待ちしておりましたが彼女が来ることはありませんでした。
ご本人の来院の目的が「掃除」だったため綺麗になったのでそれで満足して来なくなってしまったのでしょうか、、、。虫歯や歯周病についてもっと説明をするべきだったのでしょうか、、、。それとも治療が怖くなってしまったのでしょうか、、、。
私は、彼女がなにかのきっかけで今まで行ったことのない歯科医院に行き掃除をしたいと思われたことに、歯科に対し興味や意識が少し向きかけているのだと思い、お口を綺麗に掃除したことで歯磨きに対してももっとモチベーションが上がると思ってしまっておりました。
私が歯周治療や歯磨き指導をした他の患者さんの口腔内が来院の度にどんどん綺麗になっていくのを見て、嬉しいのと反面歯科医院に【通えていない方】をそのまま放っておいて良いのだろうかという疑問を持ち始めました。